Azure FunctionsでのKey Vault参照の利用

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先日、Azure App ServiceとAzure FunctionsでのKey Vault参照が一般提供されたとの発表があった。これは、Key Vaultに格納したシークレットを環境変数としてApp ServiceやFunctions Appから取得できる、というもの。

Key Vault references in App Service and Azure Functions are now available
https://azure.microsoft.com/updates/general-availability-of-key-vault-references-in-app-service-and-azure-functions/

ドキュメントはこちら。

App Service と Azure Functions の Key Vault 参照を使用する / Use Key Vault references for App Service and Azure Functions
https://docs.microsoft.com/azure/app-service/app-service-key-vault-references

現時点(2019/10/162020/11/092021/11/16現在)の注意点は以下の通り。

  • Linuxプランでは利用できない
  • システム割り当てのマネージド ID のみをサポート(ユーザー割り当て ID は使用できない)
  • ネットワーク制限があるキー コンテナーに格納されているシークレットを解決できない(つまり、仮想ネットワーク サービス エンドポイントが設定されていると利用できない)
  • 利用するシークレットバージョンの指定が必要(2021/02/10にバージョン指定が不要になった)

例によって、Javaから利用できるのかを確認する。

手順

Key Vaultインスタンスの作成

HSMを使っても使わなくてもよい。今回はHSMを使わないものを作成しておく。シークレットとして文字列を入れておく(今回はPassw0rd12345という文字列をシークレットとして格納)。

Azure Functions アプリの作成

以下を呼び出してできあがるHTTP-JavaTriggerを使う。なお、簡単のため、認可レベルはANONYMOUSに、メソッドはGETのみ、Query Parameterはなくしておく。

mvn archetype:generate \
-DarchetypeGroupId=com.microsoft.azure \
-DarchetypeArtifactId=azure-functions-archetype \
-DappName={resourceGroup} \
-DappRegion={region} \
-DresourceGroup={resourceGroup} \
-DgroupId=com.{functionAppName}.group \
-DartifactId={functionAppName}-functions \
-Dpackage=com.{functionAppName} \
-DinteractiveMode=false

また、【アプリケーション設定】で、新しいアプリケーション設定を追加し、Key Vaultのシークレットにアクセスするための環境変数を構成する。設定にあたっての構文は以下のドキュメントに従う。

参照構文 / Reference syntax
https://docs.microsoft.com/azure/app-service/app-service-key-vault-references#reference-syntax

今回はKEYVAULT_SECRET1とKEYVAULT_SECRET2を作成し、上記ドキュメントの2通りの参照方法で設定した。問題なければ、両変数で同じ文字列が返ってくるはず。以下のスクリーンショットではバージョン(SecretVersion)を付与しているが、これは2021/02/10のアップデートで更新され、指定しなくてもLookupできるようになっている。

Versions no longer required for Key Vault references in App Service and Azure Functions
https://azure.microsoft.com/updates/versions-no-longer-required-for-key-vault-references-in-app-service-and-azure-functions/

マネージドIDの作成

システム割り当て ID 、ユーザー割り当てIDともサポートしている。システム割り当てIDを使う場合は、以下のドキュメントの記載に従う。

システム割り当て ID の追加 / Adding a system-assigned identity
https://docs.microsoft.com/azure/app-service/overview-managed-identity#add-a-system-assigned-identity

Azure Portalでシステム割り当てマネージドIDを有効化した場合(IDが識別になっているのはご愛嬌・・・)

Key Vaultでアクセスポリシーを作成

Functions AppのマネージドIDを作成すると、Azure ADでService Principalが作成されるので、Functions Appに対してシークレットのGET(取得)操作のみを有効にしたアクセスポリシーを作成する。

Javaアプリケーションの作成

環境変数にアクセスするので、System#getenv()を使う。具体的には以下のような感じで取得した環境変数を両者並べて、それをFunctions Appの戻り値として返している。Key VaultのSDKは一切使っていない。

return request.createResponseBuilder(HttpStatus.OK)
        .body("SECRET1=" + System.getenv("KEYVAULT_SECRET1") + " / SECRET2=" + System.getenv("KEYVAULT_SECRET2")).build();

試してみる

Azure Functions AppはHTTP Bindingを使っているので、REST Clientを使ってアクセスしてみると、環境変数を参照するどちらの方式でも正しく取得できていることがわかる。

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