このエントリは2021/09/14現在の情報に基づいています。将来の機能追加や変更に伴い、記載内容との乖離が発生する可能性があります。
ちょっと界隈で話題になっていたので、いろいろとメモを残しておく。
App Serviceの可用性ゾーン (Availability Zone、以下AZ) 対応
これは、以下の発表にある通り。
App Service Support for Availability Zones
https://azure.github.io/AppService/2021/08/25/App-service-support-for-availability-zones.html
当然ながら、AZ利用可能なリージョンでなければAZ対応になり得ないので、現時点(2021/09/14)では西日本リージョンは対象外。
ドキュメントは以下。
パブリック マルチテナント App Service での可用性ゾーンのサポート / Availability Zone support for public multi-tenant App Service
https://docs.microsoft.com/azure/app-service/how-to-zone-redundancy
既に数々の猛者が「試してみたエントリ」を書いてくださっている通り、以下のような注意点がある(いずれも2021/09/14時点の情報)。
新規App Serviceプランでのみ構成・利用可能 | 既存のApp Serviceプランからの移行はできない。 |
Premium V2 or V3で利用可能 | 例えば、現在App ServiceプランとしてP2V3を使っていたとしても、上記理由により、新規でApp Serviceプランを作成する必要がある。 AZ対応済みのリージョンでApp Serviceプランを作成してもAZ対応できない場合、リソースグループを新規作成して、そのリソースグループ内でApp Serviceプランの作成を試すことを推奨 |
ARMテンプレートでのみ作成可能 | 2021/09/14現在Azure Portalでウィザード形式のインスタンス作成画面はない (将来できるようになるはず、知らんけど) |
最小デプロイインスタンス数は3 | リージョンの3個のAZにデプロイされるため。 インスタンス数を3以下に指定したとしても、3に切り上げられてデプロイされる。 |
作り方は上記ドキュメントにあるので、そちらを参照。
ASE v3
ASE v3 (App Service Environment v3) は2021/7の以下のブログエントリで一般提供が発表されている。
Announcing App Service Environment v3 GA
https://techcommunity.microsoft.com/t5/apps-on-azure/announcing-app-service-environment-v3-ga/ba-p/2517990
ドキュメントもある(2021/09/14現在、日本語版は古いので英語版を見る必要がある。今後日本語版も更新されるはず、知らんけど)。
App Service Environment overview
https://docs.microsoft.com/azure/app-service/environment/overview
そして2021/09/14時点で、ASE v3が東日本リージョンでも利用可能になっている。”App Service Environment”で検索すると出てくる。


注意点は以下。
- 2021/09/14現在、英語版ドキュメントにも記載の通り、東日本リージョンで利用のみ利用可能(将来的には西日本リージョンにも展開されるはず、知らんけど)。
- v3でできること、v2でできたがv3でできないことがあるので、機能の違いはチェックしておく必要がある。
- ASE v2からv3へのアップグレードはできないので、ASEインスタンスの作り替えが必要。
- 価格も変更されているので、価格の算出ロジックをチェックする必要がある。
機能の違い / Feature differences
https://docs.microsoft.com/azure/app-service/environment/overview#feature-differences
価格 / Pricing
https://docs.microsoft.com/azure/app-service/environment/overview#pricing
v2でできていたことがv3でできなくなっているのがそれなりにある。
機能 | v2 | v3 |
---|---|---|
SMTP トラフィックの送信 | ○ | × |
FTPデプロイ | ○ | × |
リモート デバッグ | ○ | × |
Network Watcher または NSG フローを使用したトラフィック監視 | ○ | × |
IP ベースの TLS/SSL バインドをアプリケーションに構成 | ○ | × |
FTPデプロイはふつうのApp Serviceでも推奨されていない。SMTPポートを使った送信は、そもそもAzureではSMTPリレーサービス使うことを推奨しており、直に使うのはこれまた推奨されていないので、もし使っているのであれば、早急に対応することを推奨する。