原文はこちら。
The original article was written by Shaun Smith (Senior Director, GraalVM @ Oracle Labs).
https://medium.com/graalvm/graalvm-galahad-and-a-new-release-schedule-d081d1031bba
ラスベガスで開催されたJavaOne 2022の基調講演で、OracleはGraalVMの将来について、いくつかのエキサイティングな発表を行いました。
GraalVMのJavaテクノロジー部分をOpenJDKに寄贈するというニュースとともに、GraalVMの開発手法とプロセスをJDKと整合させる予定であることも発表されました。本日は、その詳細をお伝えします。
OpenJDK Project Galahad
JavaOneで発表された、GraalVM技術の適用可能な部分をOpenJDKに貢献することを実現するために、新しいプロジェクト”Galahad”が提案されています。
Call for Discussion: New Project
https://mail.openjdk.org/pipermail/discuss/2022-December/006164.html
Galahadでは、最初は将来のOpenJDKリリースに含める可能性のある、既存のHotSpot JITコンパイラの代替となるGraal JITコンパイラの継続開発と統合に焦点を当てる予定です。その後は、JVM起動時に即座に利用できるようにGraal JITコンパイラをコンパイルすることを可能にするGraalVM AOTテクノロジーに関連する貢献を目標とします。一度確立されれば、将来のGraalVMエンタープライズ版とコミュニティ版のリリースは、Galahadのソースをベースにする予定です。
また、OpenJDK Leydenプロジェクトの仕様を追跡する人たちのために、GraalVM Native Image AOTコンパイル技術の一部も寄贈する予定です。
Project Leyden
https://openjdk.org/projects/leyden/
GalahadのJITおよびAOTコンパイラ技術は、Leydenの目標である「Javaプログラムの起動時間、ピーク性能までの時間、フットプリントを改善する」ことに貢献すると期待されます。
Release Alignment
2023年3月のJDK 20リリースから、GraalVMはJDKの6ヶ月リリースサイクルに従います。
GraalVMの最初のリリース以来、GraalVM Enterprise EditionとCommunity Editionsの新機能リリースは3ヶ月のサイクルなのに対し、2017年以降、JDKの新機能リリースは6ヶ月のサイクルでした。2023年3月のJDK 20リリースから、GraalVM Enterprise EditionとGraalVM Community Editionは、6ヶ月のJDKリリースサイクルに合わせる予定です。これは、新しいリリースモデルに移行するため、2023年1月にGraalVM 23.0がリリースされないことを意味します。さらに、JDK 20から、GraalVMのリリースは(Oracle OpenJDKのリリースのように)、最新のJDKバージョンだけをサポートします。これによりバージョンの選択が簡素化され、開発者が各GraalVMのリリースで最新のJava機能にアクセスできるようになります。
この調整の一環として、GraalVMは、サポートされているJavaバージョンに基づいて、JDKのリリース番号付けスキームを採用する予定です。古いリリースとの混乱を避けるため、新しいリリースはGraalVM for JDK <Javaバージョン>と名付けられ、次のリリースは2023年3月、GraalVM for JDK 20となる予定です。
About GraalVM Enterprise Edition
GraalVM Enterprise EditionはOracle Cloud Infrastructureで無料で利用できます。また、Oracle Java SE Subscription製品に含まれています。ライセンスに関する質問は、以下のFAQをご覧ください。
Oracle Java SE Subscription
https://oracle.com/java/java-se-subscription/
Oracle Java SE Licensing FAQ
https://oracle.com/java/technologies/javase/jdk-faqs.html